思わず立ち止まる!デジタルサイネージの面白い活用事例と上手な使い方
デジタルサイネージは広告や案内表示、情報共有などさまざまな場面での活用が広がってきています。
利用目的や情報の種類に応じて、どのようなコンテンツでアピールするかを事前に検討することで、デジタルサイネージを効果的に活用したアピールが可能です。
そこで、見る人が思わず立ち止まってしまうようなデジタルサイネージの面白い活用事例5選と、デジタルサイネージの上手な使い方についてご紹介していきたいと思います。
デジタルサイネージで扱うコンテンツ
デジタルサイネージで取り扱うコンテンツには、静止画や動画、Webといったものがあげられます。
これらについては特にどれが優れているというわけではなく、目的や設置場所、見てもらうターゲット層を意識して使い分ける必要があると言えます。
静止画
静止画は、デジタルサイネージで表示するコンテンツ作成において、制作が比較的簡単で、コンテンツ作成料も他のコンテンツより抑えることができるため、スタンダードに用いられる種類です。
ポスターと変わらないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、静止画がポスターと異なる点は、表示内容を随時切り替えられて複数のポスターを用意しなくても済むこと、ポスターよりも鮮明な画像を表示できることなどがあげられます。
動画
デジタルサイネージの大きな特徴は、表示するコンテンツに静止画だけではなくて、動きのある映像を放映することができる点です。
例えば、静止画だけでは伝わらない情報やインパクトのあるCMを流したり、動きを付けることでより注目されるようにテロップを流したりといった使い方が可能になります。
また、動画に合わせた音声や、人の動きに合わせた動画を表示させることで、よりリアル感を演出できると共に、目の前のターゲットだけではなく街中を行きかう様々な人に効果的に情報を届けることができます。
Webページ
デジタルサイネージのディスプレイとPCを接続することでWebページをデジタルサイネージ上でコンテンツとして表示することができます。
また、タッチパネルで操作が可能なデジタルサイネージの場合は、ディスプレイの前にいる人がその場で操作をすることができ、インタラクティブなコミュニケーションツールとしても提供されています。
更にこのディスプレイにセンサーやカメラを設置すれば、ディスプレイの前にいる人を認識できてエンターテインメント性のあるコンテンツが出来上がるわけです。
デジタルサイネージの面白い活用事例6選
デジタルサイネージのコンテンツには、静止画、動画、Webといった種類があり、それぞれTPOに合わせたコンテンツを選択することで、より効果的な情報発信ができるようになります。
ここからは、デジタルサイネージだからこそできる、訴求力抜群のデジタルサイネージ面白活用事例を6点ご紹介していきたいと思います。
デジタルサイネージでさりげなく禁煙をよびかける
スウェーデンのストックホルムの街中に設置されたデジタルサイネージでは、歩きたばこをしている人がドキっとする企画が行われました。
実はこのデジタルサイネージには、センサーが内蔵されていて、たばこの煙を感知すると、ディスプレイの男性が咳をする仕掛けになっているのです。
そして、最後にはニコチンパッチ等の禁煙グッズの宣伝とともに、『禁煙しましょうね』というメッセージが表示されます。
街中に設置された大画面のデジタルサイネージに、周囲の通行人もいる前で咳をされてしまうと、思わずその場でタバコを捨てたくなる効果的な企画です。
スマホと連動してクーポンがもらえるデジタルサイネージ
サークルK・サンクスが実験的に設置したデジタルサイネージ(JR名古屋駅のコンコース付近)では、表示された特設サイトにアクセスし、アンケートに答えることで『キリン一番搾り生ビール(350ml)缶』の無料引換クーポンが発券されるようになっています。
この実験により、クーポンを取得した人は合計で約1500人、その内の約86%もの人を実店舗へ総客出来たことが明らかになったといいます。
このようにスマホと連動したデジタルサイネージはカナダのマクドナルドにも設置されています。
これは、デジタルサイネージに映っているフライドポテトを、自分のスマホ画面にあるポテトケースに移し替えるというもので、指でスマホの画面を上から下へとスワイプすると、どんどんポテトがケースに入っていきます。
制限時間内に全てのポテトを入れられればクリアになり、参加した人へポテトのMサイズをもらえるクーポン券が配信されるという仕掛けでした。
空間や景色と連動したデジタルサイネージ
カナダのマクドナルドは、朝マックを訴求するために実施したデジタルサイネージとして、日の出に合わせて朝マックのメニューを道路沿いのデジタルサイネージに放映させました。
これは気象情報とリアルタイムで連動するというもので朝日が昇るのと同様、朝マックのメニューである『エッグマフィン』が看板の下から少しずつ昇ってくるという仕掛けで、通行人にタイムリーに朝マックを思い起こしてもらおうという狙いがあります。
デジタルサイネージで自閉症を啓発
自閉症支援団体『Autism Speaks』が実施したデジタルサイネージ広告は、自閉症における啓発の取り組みとして行われたものです。
この企画では、「デジタルサイネージに映っている女の子と目を合わせてみて!」との表示が出現しますが、センサーによって目を合わせようとする人の動きを感知することで、どんなに頑張っても画面に映っている女の子の目線がずれるようになっています。
そうすることで『自閉症の子供の徴候の一つとして、人と目を合わせることができなくなる』ということを市民に啓発するとともに、このような体験を通じて自閉症への理解を深めることを目的としています。
理解を呼びかける企画はこの例に限らず、ガンの子供たちを支援するスウェーデンの財団のガン基金の募集のためのキャンペーンとして活用されたデジタルサイネージ広告なども例にあげられます。
仕掛けでどっきりバーチャルサイネージ
『Unbelievable Bus Shelter』はペプシが行った、ドッキリのようなデジタルサイネージです。
バス停側面のガラスに透明のデジタルサイネージが施されていて、AR技術を用いてUFOが現れたり、隕石が落ちてくるなど非現実世界を映し出すことで、バスを待っている人にバーチャル体験をさせることができる仕掛けになっています。
他にも巨大タコ生物がマンホールのふたを押し上げて出現し人をさらっていくものや、UFOが飛来する様子などが映し出されるものもあり、ハロウィンにもピッタリなユニークなデジタル施策の一例です。
デジタルサイネージの上手な使い方
直球的な情報発信もあれば、見る人を少し考えさせるような遠回しな情報発信の仕方など、デジタルサイネージだからこそできる企画や施策もあります。
デジタルサイネージに放映するコンテンツには、比較的人が多く行き交う場所で通りすがる瞬間に目に入りやすいものという条件が求められます。なぜならそれは文字や写真をただ並べるだけでは、消費者の目に止まる広告を発信し続けるのは難しいときもあるからです。
より多くの人の目に止まるようにするためには、レイアウトに配慮して目を引きやすくするなど、視認性の高いコンテンツ制作を行うことが大切です。情報の多い現代、せわしく働いている人の多い現代において、街中の広告というのは、いかに『立ち止まってもらえるか』というのが必要になってきます。
クリエイティビティあふれた発想、逆転の発想などが、見るものの目を引き、そこから思いがけぬ送客、集客につながるといえるでしょう。 ここからは、デジタルサイネージをつかって効果的な訴求をするためのポイントについて解説してまいります。
ターゲットの選定
まず、ターゲットの選定をすることです。どの年齢のどの性別の人に見てもらいたい、こんなことを考えているであろう人に見てもらいたいなど、ターゲットの選定は業種によって違いますが、ターゲット選定を怠ってしまいますと、広告の効果を十分に発揮できない可能性が有ります。
これはデジタルサイネージの広告ではなくチラシの場合も同様ですので、すでに多くの方が実践しているでしょう。デジタルサイネージにしたからといって、放映するだけで訴求力が上がるのではなく、効果的なターゲット選定をし、効果的な広告をデジタルサイネージで放映するから、訴求力が上がるといっても過言ではありません。
コンテンツの選定
前述にも申し上げたように、放映コンテンツには、静止画、動画、Webページの3種類があります。
静止画でチラシのようなものをいくつかのパターンで放映するのが好ましい場合もありますし、動画で動きを見せたほうがより伝わりやすい場合もありますが、業種によって効果的な訴求方法はそれぞれ異なるため、自社にあったコンテンツを選定し、デザインなどはプロに任せる方が無難と言えるでしょう。
設置場所の選定
デジタルサイネージは、LEDによる放映であるために、比較的目に入りやすいのですが、設置場所もしっかりと検討する必要があります。
ターゲットが通りやすい場所、人の目につきやすい場所等、それぞれですが、設置場所があまりにも高かったり、低すぎたりすれば、目にさえ入らないこともあるかもしれません。
例えば、高い位置に設置しておきながら、そのすぐそばが店舗だったというような場合は、広告にきを取られている間に、店舗の前を知らずに通り過ぎてしまうこともあるでしょう。
店舗のすぐ近くに設置するのであれば、比較的低位置に設置するとわかりやすいです。
広告の切り替え
デジタルサイネージの中には、放映するコンテンツを時間帯ごとに切り替えることができるものもあります。
たとえば飲食店の場合であれば、朝の時間帯はモーニングのコンテンツを、お昼の時間帯はサラリーマンやOLに向けたランチのコンテンツを、夜の時間帯は仕事終わりのサラリーマンがお酒を飲んで帰りたくなるようなコンテンツを、、、などのように放映内容を時間帯ごとに変更することで、より効果的な訴求を行うことができます。
時間帯によってターゲットが変わるようなシーンも多くあるため、柔軟なコンテンツ発信を行うことができる点においても、ほかの広告メディアにはないデジタルサイネージのもつ強みのひとつと言えるでしょう。
デザインやアイディアも大切
また、デジタルサイネージを利用して、視聴者側に何かアクションを起させたり、考えさせたりするようなコンテンツ作りは、デザインやアイディアが重要です。
また、アイディアが浮かんでも、それを形にできないといった場合もあるかもしれませんが、効果的にデジタルサイネージを利用するには、コンテンツ作成はプロにお願いするのが良いと言えるでしょう。
ターゲット選定、コンテンツ、設置場所等すべて問題ないのにも関わらず、デジタルサイネージを利用しても思ったような効果が出ない場合は、デザインやアイディア性に問題がある可能性もあります。それほど、デザインやアイディアは需要であるということです。
まとめ
今回ご紹介したような、ユニークなバーチャル体験や、対話や参加が可能なデジタルサイネージが増えてきています。
これにより、従来のポスターなどの一方向的な訴求アプローチから、いかにユーザーの心を動かすか、訴求力を上げるかというところで、デジタルサイネージのコンテンツ制作にも新たな流れが出てきています。
そして、これは広告主の意図を的確に伝えることにも役立ち、新たなマーケティングスタイルを生み出していくことでしょう。
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